目次
まずは経営計画の本を読んでも上手く計画を立てられない。
そう感じていらっしゃる方が抱える共通の問題点についてお話します。
本で勉強しても計画の立て方がわからない、そんな人が抱える共通の問題点
確実によく間違うのは、経営計画や年間計画に関してです。
例えばタスクの内容を設定で
- 「朝早起きをする」
- 「ブログを一日一記事書く」
- 「お酒を飲まない」
など習慣化したいことを書こうとする。
そういう方が多いのですが、習慣化はそもそも計画とは呼びません。
私の意見としましては、
人間というのは基本自律的に努力しない生き物だと思っています。
その努力しようというのを計画として書いたとしても、結局努力しないので全く前に進まない。
何が目標なのかも不明瞭で、計画としては何の意味も持たないものになってしまいます。
あるいは本の内容を素直に受け入れ過ぎた結果、
計画の行動レベルが低すぎるというケース。
例えば新しいカテゴリーに挑戦しようとしていたとします。
その際に「準備のために必要な本をネットで調べる」というのを計画に入れる。
正直本当に計画を遂行するつもりがあるのであれば、必要な本を調べるぐらい事前に終わってるのが当たり前です。
こんなの数分あればできますし、わざわざ計画タスクに入れるレベルでもないのですが、それを一生懸命入れてしまうという事は多いと思います。
そして結局「必要な本を調べた、タスク完了」と熱量の低い状態で満足して終わってしまい、次の行動に繋がりにくくなります。
計画の立て方は仕事を逆算して考えるのがコツという論理的な根拠
そしてもう一つ多いのは、次のステップへ進む計画がうまく組めないという場合です。
例えば広告による売り上げの増大が目標であれば、以下のようになると思います。
1.広告のコンセプトを決める
2.宣材写真を撮影する
3.写真をSNSで投稿し反応を見る
4.人気のあった素材をもとにネット広告を作る
このような流れだと各工程ごとの成果物が必要材料となり、
次のステップへ無駄なく進めます。
タスクが一つ終わったら
そこから目標に結びつくようなタスクに移るのが計画になります。
しかし計画がうまく組めないという人の場合、
各工程ごとの結びつきがないことがあります。
例えば上記の広告の例で
「1→2→3→4」の工程が「1→4→2→3」だった場合。
1.コンセプトはあるけど写真がない状態でいきなり広告を作る。
4.「写真が無く、コンセプトの伝わらない広告」ができる。
2.後からから写真を撮ってSNSに投稿する。
3.SNSの反応を待ち、元の広告を無かったことにしてもう一度作り直す。
みたいな流れになると思います。
本来であれば
「1と2 ・2と3 ・3と4」で結びついていた工程が
バラバラになることで、必要以上に時間がかかり、
広告をもう一度作るという本来無かった行程が増えています。
つまり各工程ごとの結びつきが無いというのは、結果的に目標への遠回りになるのです。
その辺が勉強してもうまくいかない原因の一つと思います。
よく間違えられるのですが、数字に基づいた計画というのは
少し危険だと私は思います。
例えば来年は売上高5%アップみたいな計画。
これは何の根拠を持って5%と言ってるのかが不明瞭です。
昨年から今年にかけて5%上がった。
だから来年もいけるはずとか中途半端なものは根拠とは言いません。
基本的に計画というのは実行することだけです。
5%はあくまでも実行を積み重ねたらどうなるかという予測でしかありません。
実際に5%を達成できるかは置いておき、今できることは何か、その中から何を実行していくかを決めていくのが計画です。
そこを間違えないようにしていただけたらなと思います。
もう一つ、数字の積み上げ式の計画の場合。
例えば去年までのやり方で努力した結果5%アップした。
だから今年は8%、来年は10%を目指す、みたいな計画を立ててしまう。
ここに大きな落とし穴があり、5%達成の流れのままでそのまま今年、来年、再来年と売り上げアップを目指そうとすると、
いずれ努力では超えられない限界に直面すると思います。
今までのやり方では通用しない、そうなると今度は根本的にやり方を変えていく必要があります。
ですが積み上げ式の計画は根本的にやり方を変えていくのに全く向いていません。
どうしても数字に基づいた計画になってしまい、中々大きなアイデアを実行しにくいのではないかと思います。
ゴールから逆算する
では具体的にどのようにすればいいのかというと、ゴールから逆算するということです。
例えばこのような目標を達成したいというゴールがあるとします。
それを逆算して完成状態に持っていくためには、
⏎
直前にはこの条件を整えておく。
⏎
その条件を整えるにはまずこれをしておく必要がある。
⏎
そのためにはコレを…
という風にまず目標を定めたら計画のレベルに達する一個手前、
その一個手前とどんどん現在の段階に持っていきます。
大谷翔平さんの一例
例を挙げるとプロ野球選手の大谷翔平さん。
彼は高校時代にマンダラートという逆算式の行動計画表を用いて計画を立てていました。
以下大谷さんの例です。
⁝
⁝
・コントロール
・人間性など
⁝
⁝
⁝
ほんの一部ではありますが、大谷さんの計画はまさしく逆算して立てられたものになります。
ですので、まずは目標達成に必要となる条件をピックアップしてその行動、
今できる行動を書き出していく。
その積み重ねがないと中々ゴールには結びつかない。
数字だけ書いてもしょうがないということです。
仕事がわからない時はこの方法!本を使った計画の立て方
もう一つの方法として、仕事が分からない時は本を使った計画の立て方があります。
やはり色々お話させていただく中で、
解決の糸口が見当たらない、
どこから取り組めば良いか分からない
とお聞きすることがあります。
そういう方は大抵の場合勉強不足が原因です。
特に自分の取り組む業種に対する知識が少なすぎる方は結構多いと思います。
そういう時に本が役に立ちます。
その際自社の業種を学ぶのはもちろんですが、
そこに拘らず一見関係なさそうな業種、業態の本を調べてみるのも良いと思います。
例えば工務店が広告による集客を狙うとして、
わざわざ工務店の集客事例に拘らずともホテルの集客事例、
美容院での集客事例なども参考になると思います。
実際業種は違えども同じような問題を抱えていることは珍しくありません。
そういうのは大抵出版されてる本の中で解決事例が紹介されており、
色々研究しているうちに大体の答えは見つかってくると思います。
それを真似しつつ、どのように落としこめば良いかというのを行動計画に書いていくと、
自ずと結果を出しやすくなるのではないかと思います。
現在の課題を解決する以前の問題
最後に現在の課題を解決する以前の問題について。
例えば事業計画を立てる時、売り上げアップを最優先事項にしがちです。
しかしその先を見据えていないケースが多く見受けられます。
どういうことかというと、売り上げがアップする
ということはその分商品の出荷量が増えるということです。
一見すると喜ばしいことのように思えますが、当然忙しさも増します。
その忙しくなる対策をしておかないと、商品の供給が追いつかなくなるケースが考えられます。
- ・徹夜してでも商品を作っていかないといけない。
- ・製造設備や運送スタッフが足りなくなる。
- ・あるいは事務員さんが激務に耐えきれず離職を考えているので、これ以上仕事量を増やせない
など色々お聞きします。
これらの事例も、基本的には
勉強不足による管理体制の不備が引き起こす問題になります。
そしてその状態が続けば会社の経営自体も困難になります。
なのでまずは周辺環境の問題を解決していく必要がある。
そのためには人事の問題であったり、コミュニケーションの問題、
それこそ傾聴だったりを関連図書館でしっかり勉強していってもらいたいと思います。
最終的には道徳的なお話になってしまいますが、
計画を立てるというのはそういうことです。
数字を揃えるだけの計画では何も達成することはできません。
実行ベースとして達成するためにはゴールの逆算から。
あくまでも実行メインでやるにはそれしかないというのが私の考えです。
今回は以上です。