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今回は残業のリスクはこんなに危険!健康に働ける時間と労務トラブルの境界線というお話をしたいと思います。
社員を残業させる!それだけで労務リスクを抱えることに
今までの経営者さんから残業についてこういう風にお話をお聞きすることがあります。
残業については、仕事が分かっている社員さんに
「長時間多くの業務をこなしてほしい」
といった事をおっしゃる場面に立ち合います。
一方でコストについては、
社員さんを増やさなくても良いので
「色々な管理コストもかからなくて経営者は楽ちんだな」
と言った本音が漏れ聞こえることも多いです。
残業代を払いたくないので、営業社員さんを管理職待遇にして
「無限に働け!」といったような会社も当然あります。
働き方改善を当然しなければいけませんが、
なんといっても、労働生産性が世界最低というこの国です。
その改善がこの国の大きな課題です。
「働き方を改善せずに放置する」
という所が多いと思うのですが、
働き方を改善せずに放置することによって
大きな機会損失を生んでいるとも言えます。
動画版はこちら。
22時以降は一般的には1.5倍にしなければいけません。
しかも、休日出勤になると来ただけで35%割増しなければいけません。
これらの働き方改善をしてないが故に、
働き方改善をしていると得られるであろう
各種補助金や助成金を受け取れないという機会損失をすでに生んでいます。
一つ計算してみてほしいのですが、
例えば月給30万円の社員さんがいたとします。
そうすると、週40時間労働で割りましたら時給換算でいうと1745円ぐらいになります。
25%割増で毎月46896円のコストになります。
社員さんを毎日1時間残業させると、毎月でどれぐらいのコストがかかるのかは計算していただくと分かると思います。
要するに一人のメイン社員さんにつき月給9万円程度のパート社員さんを二人雇って、定時で帰っていただく方がコストがかかりません。
メイン社員さんを残業から解放してもらうだけで
コストがかからなくなります。
現状、それぐらいハイコストを背負わされているということです。
残業していると健康面でもリスクを負う、最高のパフォーマンスをあげる為の労働時間とは
労働時間を縮めようとしているのは、労働生産性の問題だったり、
ワークライフバランスを取らなければいけないだったりと色々な考えがあります。
オーストラリアのメルボルン大学の研究では、
40歳以上の能率が最も高くなる働き方について調べました。
その結果、週25時間程度の勤務が最も能率が高くなる、ということでした。
色々な各世代の方を追跡調査をして、計算問題など色々とやってもらって
頭の動きを見てもらうと週40時間ではすでに働きすぎだということでした。
40代の労働者にとっては週40時間ではすでに働きすぎで、
週25時間程度に抑えなければ頭に負荷がかかってしまい
「アイデアが何も出ない」
「計算能力が衰える」
といった報告があります。
メルボルン大学の研究結果を踏まえると、この国の労働時間が長いことが分かります。
疲労でフラフラで頭が回らない状態の人間に会議でアイデアを出したり、
「リーダーシップを取ってくれ」
「問題解決をしてくれ」
会議をしても何もアイデアが出来てきません。
それは何も考えられない環境に経営者が追い込んでいるということです。
彼らも絶好調で自由な雰囲気があれば良いアイデアが出てきます。
優秀な社員さんですから、自由な雰囲気で良いアイデアを出せる環境をいかに提供するかということだと思います。
特に、これから新しい重要なポジションに就いてもらう場合だと時間を取られて社員に負担がかかるような業務を振らないことです。
彼らの高いコストに対して費用効果に応えられます。
最も費用対効果が高い方法だと言い切ることが出来ると思います。
残業リスクをゼロにする・働く時間を管理する手本の数々
そうはいっても、
「うちの業界は特殊だから出来ないよ」
「働き方を急に変えたって生産性が上がるわけないよ」
と思われる方がいらっしゃると思います。
そういうお話をよく聞いてきました。
とりあえず簡単に出来ることをいくつかお話させていただくと、
まずは残業リスクをゼロにします。
パート社員さんを増員するということです。
メイン社員さんのアシスタントをしてもらいます。
特に連絡業務だったり、見積書などを含めた書類作成だったりを
出来るだけパート社員さんに振ってしまうということが重要だと思います。
アシスタント社員さんがやることによって
生産性の高い仕事であるアイデアを出す方を
メインの社員さんに集中してもらえます。
定型業務を見直してパターン化することによって、そもそもそういう業務のマニュアルは大していりません。
今までの定型業務をパターン化して整理さえしておけば、過去資料を見て正解を導き出すことが大抵出来ると思います。
今は 機械学習という考え方があると思います。
実際にコンピューターが職務の内容を理解していなくても、
沢山の数量がある成果物を見てパターンで学習することによって、
中身を知らなくても最適な答えを出しやすいという考えがあるのと全く同じです。
成果物だけを集中的に渡すことによって、パート社員さんであっても真似しやすいような環境をご提供することが出来ます。
例えば休日出るだけ・鍵を開けるだけの仕事であれば
積極的にパート社員さんに移行していきます。
あるいはメイン社員さんが残業過多で負荷が大きいと思ったら、
夜間の仕事だけパートさんに任せます。
夜間で座っているだけで良いのであれば
それだけを任せてしまうのも一つの方法です。
社員さんの負担を軽減することによって、効率は倍増レベルで上がっていきます。
そうすると、新しいアイデアが実行に移しやすくなります。
どの会社さんでも実行可能なので、またご相談がありましたら別途の機会をいただけたら幸いです。
以上、残業のリスクはこんなに危険!健康に働ける時間と労務トラブルの境界線についてお話させて頂きました。
ご参考になりましたら幸いです。