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今年の合宿が終わってから数日後、意外なところからクレームが来ました。
それは、九州での会合が終わった午後、ある畳屋さんに呼び出されて、もの凄く怒られました。
「オマエの合宿にいった、俺の仲間が、悩んでしもとるやないけ!」
「オマエのせいで、アイツが商売辞めてしもたら、どない責任取ってくれんねん!」
狭い個室で、怒号が飛び交いました。
どうやらその方は、私たちの合宿を、人づてにお聞きになって、勘違いなさったようです。
意外に思われるかもしれませんが、私が行っている事業計画は、数値目標はほぼ出てきません。
当然売り上げ◯◯%アップ。といった、根拠のない目標も設けません。
取り組むのは厳然とした現実。
自社の置かれている状況を分析し、自分たちのあるべき姿を見つめ直し、目標へ進むために必要な施策を徹底的に考え抜きます。
当然、考えに考え抜いていただきます。
人によっては、ダウン寸前まで悩み抜きます。
そして、今あるビジネス、取引先や家族のしがらみ全てを考慮しながら、より良い方策を探って行きます。
すると、それまでの自分の取り組みや、避けて来た事案を目の当たりにする事になります。
優れた計画は、ラクをしては出てきません。
限界ギリギリまで問い続けることが重要なのです。
先ほどの畳屋さんは、そのストイックな姿を見て、誤解なさったようです。
では、一体何をそんなに考えなきゃいけないのか?
具体的な内容については、合宿レポートをご覧いただくとして、ここではそのメカニズムについて、お話しした思います。
なぜ計画が上手くいかないのか?
子どもの頃から、学校や部活、勤め先で、常に教えられ続けてきたかと思います。
計画の重要性。
コツコツやる事の大切さ。
しかし、ほとんどの人は、計画通りに実行する事は出来ません。
それはなぜか?
例えば小学生の頃の、夏休みの宿題を思い出してみてください。
夏休みに入った日に、いったん計画を立てた記憶はありませんか?
一日ドリル何ページしよう。
朝何時に起きて、ラジオ体操のあと、宿題は何時から取りかかろう。
一見完璧な計画を立てられるかと思います。
しかし、二学期が近づくに従って、計画どおりに進まない現実を見る事になります。
そして、夏休みの最終日の大慌て。
最後は泣きながら、残りの宿題に追われて行く、、、なんて経験はありませんか?
子どもの頃の夏の日、誰もが同じような経験をしたように、机上の計画を完遂できる方が数少ないのです。
それが、現実。
人間はそんなに強くありません。
では、どうして、計画通りに進まないのでしょうか。
それは、計画についての考え方に、根本的な誤解があるのです。
例えば、夏休みのドリルの場合、120ページを40日で割って、一日3ページだね。とか機械的に割り振って、計画としていませんか?
実は、上手くいかない計画の大部分は、このノルマからの逆算が原因なのです。
本来成果というのは、原因や努力の積み重ねの結果なはずです。
積み重ねるべき努力や内容について分析する事なく、結果から逆算しても、上手くいくはずがないのです。
一日ドリル3ページでは、やる意義や必要性が見いだせないのです。
意外に思われるかもしれませんが、計画で最も重要なのが、分析力です。
今までの問題点と、今後起こるであろう予測。
この二つがキッチリと分析出来ていれば、やるべきことはおのずと見えてきます。
今やらなければいけない事、その必要性が見えてくるのです。
私たちが合宿を通じで見つめているのは、まさに将来への分析です。
近年自社で起きうる問題を分析し、今するべき事を見つめ直す。
そのために、三日間を使うのです。
なかなか言葉で伝えるのは難しい点ですが、今年行った合宿のレポートや、参加者のコメントをご覧いただいて、イメージしていただければ幸いです。